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新型コロナウイルスに感染したときの、労災申請の方法・手順について

お疲れ様です。労災系ブロガーめかヴです。

この記事を執筆している時点では、まだまだコロナ禍の真っただ中であり、特に、猛威を振るっている「デルタ株」は日本人の免疫から逃れるような変異が見られる、という研究結果もあるので、依然として、警戒が必要な状況です。

東京大学は2021年6月16日、懸念すべき新型コロナウイルスの変異株が、日本人に多く見られる細胞性免疫「HLA-A24」から逃れることを発見したと発表した。同大学医科学研究所 准教授の佐藤佳氏が主催する研究コンソーシアム「The Genotype to Phenotype Japan」による研究の成果だ。

HLA-A24はヒト白血球高原(HLA)の1種で、日本人の約60%が保有する。今回の研究では、新型コロナウイルスのスパイクタンパク質の感染受容体結合部位が、HLA-A24により強く認識されることを実証した。

医療技術ニュース 「新型コロナウイルスのデルタ株は、日本人の免疫から逃れる変異を持つ」[MONOist] より引用

【参考】SARS-CoV-2 spike L452R variant evades cellular immunity and increases infectivity

【2021/12/10追記】日本国内ではデルタ株はいったん落ち着いたものの、新たにオミクロン株が出現し、いまだ油断はできません。

【2022/7/29追記】日本ではBA.5の蔓延に伴い、感染者が過去最高を更新するなど、油断できない状況です。

【2022/11/21追記】新型コロナウイルスの第五類への引き下げ議論をよそに、第八波への警戒宣言が出されました。

そんな中、もし、業務に起因して新型コロナウイルスに感染し、療養をしなければならなくなった場合に、労災絡みで行うべきことについて、本記事でまとめてみました。

もちろん、感染対策を徹底的に行い、そもそも感染しないのが理想ですが、もしもの時のための備忘録になれば幸いです。

ですので、当記事の内容は知っておいて損はないと思います。

 

※本記事を執筆するにあたり、下記の書籍を参考にさせて頂きました。

(新型コロナ関係の内容も盛り込まれています。一冊、知識として持っておくのは有意義だと思います)

【2022/7/29追記】私が参考にしたのは2021-2022版ですが、現在はもっと新しい版が流通しています。

ちなみに、コロナ以外の、職場のパワハラ、セクハラ等が原因で労災申請する手順はこちらの記事で解説しています。

診療は「労災指定病院」で行いましょう

労災指定病院なら、治療費はかかりません

一般的に、業務上の災害が発生した場合は、「労災指定病院」で診療を受けることになりますが、これは新型コロナウイルスに感染した場合も同様です。

最寄りの労災指定病院の一覧については、厚生労働省のホームページから検索できます。

【外部リンク】労災保険指定医療機関検索 (厚生労働省ホームページ)

業務上の災害と認められた場合は、都道府県労働局が病院への治療費を代わりに支払ってくれます。

必要な書類

労災の申請に関わってくる書類について解説します。

これらの用紙は各地の労働基準監督署で入手できるほか、厚生労働局のホームページから印刷もできます。

新型コロナウイルスの感染リスクが心配であれば、自宅でプリントアウトするのも良いと思います。

その際は、「両面印刷必須」、「ページの拡大・縮小の禁止」、「ページの回転・中央配置の禁止」といった制約があるので、注意が必要です。

(詳細は厚生労働省のホームページ参照)

1.様式第5号用紙 (無料で治療を受けるために必要)

労災保険を使って無償で治療を受ける場合、療養補償給付及び複数事業労働者療養給付たる療養の給付請求書 業務災害用・複数業務要因災害用(様式第5号)が必要で、内容記入の上、病院に提出します。

2.様式第8号用紙  (休業補償給付を受け取るために必要)

当たり前ですが、新型コロナウイルスに感染した場合、隔離期間などで働けず、賃金を受けられない期間が発生します。

その場合、休業補償給付支給請求書 複数事業労働者休業給付支給請求書 業務災害用・複数業務要因災害用(様式第8号)提出することで、休業4日目以降から、労災保険の休業補償給付を受けられます。

提出先は職場を管轄する労働基準監督署で、記入項目の中には、事業主及び医師にそれぞれ記入を依頼するべきものもあります。

休業補償給付の金額は、平均賃金の8割です。内訳は、給付基礎日額の60% + 給付基礎日額の20%(特別支給金) 

(なお、休業初日から3日目までの賃金については、平均賃金の6割を会社が補填する決まりになっています。)

労災給付の対象となるかの判断基準について

新型コロナウイルスに感染したことで労災保険給付を受けられるかどうかは、感染したことが業務に起因するかどうかが判断基準となります。

医療従事者の場合は、下記を参照する限り、よほどのことが無い限りは給付対象になります。

労災保険給付の対象となるのは?

■感染経路が業務によることが明らかな場合

■感染経路が不明の場合でも、感染リスクが高い業務(※)に従事し、それにより感染した蓋然性が強い場合

 ※(例1)複数の感染者が確認された労働環境下での業務。

 ⇒ここでの、「複数の感染者が確認された労働環境下」とは、請求人を含め、2人以上の感染が確認された場合をいい、請求人以外の他の労働者が感染している場合のほか、例えば、施設利用者が感染している場合等を想定している。

 ※(例2)顧客等との近接や接触の機会が多い労働環境下の業務

 ⇒ここでの、「顧客等との近接や接触の機会が多い労働環境下の業務」とは、小売業の販売業務、バス・タクシー等の運送業務、育児サービス業務等を想定している。

■医師・看護師や介護の業務に従事される方々については、業務外で感染したことが明らかな場合を除き、原則として対象

「職場で新型コロナウイルスに感染した方へ(リーフレット)」より、

「新型コロナウイルス感染症の労災補償における取扱いについて」(基補発 0428 第1号)の内容を一部追記した上で引用

「新型コロナウイルス感染症の労災補償における取扱いについて」(基補発 0428 第1号) を参照すれば、詳細事項やQ&Aなど、もう少し踏み込んだ情報が載っています。

【補足】自力で労災保険給付の手続きを行うことが困難なときは?

新型コロナウイルスの症状によっては、自分で手続きができないほど体調が悪化する場合も考えられます。(あまり考えたくはないですが…)

そんなときは、会社、事業主が助力しなければならない旨が、労働者災害補償保険法施行規則第 23 条で規定されています。

まずは、会社に相談してみましょう。

(事業主の助力等)

第二十三条 保険給付を受けるべき者が、自己の為、みずから保険給付の請求その他の手続を行うことが困難である場合には、事業主は、その手続を行うことができるように助力しなければならない。

2 事業主は、保険給付を受けるべき者から保険給付を受けるために必要な照明を求められたときは、すみやかに証明をしなければならない。

労働者災害補償保険法施行規則 より引用

まとめ

・コロナに感染したら、労災指定病院で診察を受ける。

第5号用紙、第8号用紙を記入し、病院と労働基準監督署にそれぞれ提出する。

いかがでしたでしょうか。

この記事を執筆している2021年8月の時点では、新型コロナウイルスに対する行政の対策が、全て"お願い"ベースであり、人流抑制もテレワークへの推進も、思うように進んでいないのが現状かと思います。

まずは、新型コロナウイルスの労災についても、労働者が正しい知識を持ち、適切に行動することで、

「新型コロナでの労災申請件数が増加」

⇒「その結果、企業が払う労災保険料アップ(※)」

「(そうならないよう)企業が本腰入れて、テレワークの推進や、時差通勤などで感染対策」

という流れを作り出すことが必要ではないでしょうか。

実際に労災保険料が上がるかどうかは、"メリット制"という制度に基づき、従業員数や業種によって決定されますが、詳細は割愛します。

以上、ここまで読んでいただきありがとうございました。

当ブログでは他にも、自分が社会復帰をする上でのヘルスケア関連の記録を、(↓)のような記事にまとめたりしています。

併せて参考になれば幸いです。

皆様も新型コロナウイルスにはお気を付けてお過ごしください。

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労災系ブロガーめかヴ

上司達からの執拗なパワーハラスメントが原因で、休職・退職に追い込まれた際、自力で労災申請を行う。その経験から得た知識を共有すべく、当ブログを立ち上げる。

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