お疲れ様です。労災系ブロガーめかヴです。
別の記事でも近況報告した通り、先日、自身の知識を活かして、通っている就労移行支援事業所にて、レクリエーション面でスタッフさん達に協力することになりました。
今週末、通っている就労以降支援センターで、通所者同士のレクリエーション(人生ゲームとか)があるのですが…
— 労災系ブロガーめかヴ@ブログで労災申請の手順を解説中 (@Rosai_Mekav) October 3, 2022
もう少し面白い内容にできる❗️
…と思って、企画側に関わらせて頂く運びとなりました。
(今週いっぱいを使って、スタッフさんと一緒に内容を煮詰めます)
そこで、本記事では就労移行支援事業所や、障がい者施設等で、レクリエーションや大会に活用できそうな、アナログゲーム(要はボードゲーム)のについて、メリット、デメリットも含めて取り上げてみました。参考になれば幸いです。
なお、ビデオゲーム(eスポーツ)に関しては、こちらの記事で取り上げています。
アナログゲームについて
日本がビデオゲーム大国である一方、主にヨーロッパ、特にドイツでは、アナログゲーム、ドイツ語で言うシュピール(Spiel)が生活に根付いているレベルで浸透しています。
実際、ヨーロッパの本屋さんとか行くと、大抵ちょっとした規模のアナログゲームコーナーがあります。
日本でアナログゲーム、ボードゲームといえば、大抵の方は、「人生ゲーム」「モノポリー」あたりを挙げると思われますが、本場では、それこそ星の数ほどのボードゲームが流通しており、そのゲーム性も様々です。
日本でも数年前から、「ボードゲームカフェ」が各地にオープンしたり、ゲームマーケット(例年2〜3回ほど行われる、アナログゲームの即売会)が土日の2日開催になったり、漫画でフィーチャーされたり(「放課後さいころ倶楽部」「天王寺さんはボドゲがしたい!」等)、着実な盛り上がりを見せています。
それだけに、新型コロナウイルスによる影響が悔やまれます💦
【注意】この記事で扱わないゲーム
本記事では、レクリエーションにアナログゲームを活用する趣旨の記事ですので、以下の条件に当てはまるタイトルは紹介しない方針です。
時間がかかりすぎるゲーム
アナログゲームの中には、重厚な戦略性を持ったタイトルが数多くありますが、その一方で、一般的な事業所がレクリエーションに割ける時間というのは2〜3時間程度でしょうから、その枠に収まらなさそうなタイトルは除外します。
例
- アグリコラ
- プエルトリコ
- その他多数
面白いゲームではあるので、興味があれば、ボードゲームカフェなどで遊んでみてください✨
本体が高価なゲーム
アナログゲームの中には、精巧なミニチュアや、凝った仕掛けが同梱されているゲームも多いのですが、その分、高価な傾向があります。
本記事では、障害者施設や就労移行支援事業所が、限られた予算の中でゲームを購入する場面を想定しているので、高価なタイトルも除外させて頂きます。
(本記事の執筆時点(2022/11)では、1ドル150円前後の超円安であり、輸入アナログゲームを遊ぶ面でも向かい風です💦)
例
- サイズ -大鎌戦役- (SCYTHE)
- 枯山水
- ウボンゴ3D
- マイス&ミスティクス
こちらも、興味があれば、ボードゲームカフェなどで遊んでみてください✨
ルールが難解なゲーム
アナログゲームの愛好会の間では、新しいゲームを遊ぶ際、ルールを熟知している方が10分くらい時間をとって、インスト(ルール説明)を行うのが一般的です。(そして、普段からアナログゲームで遊び慣れているプレイヤーは、それですんなり理解して遊べてしまう)
しかし、「人生ゲームくらいしか遊んだことがありません」という方にとっては、ルールが難解という点は極めて高いハードルとなってしまうため、本記事では、比較的ルールの易しいゲームを紹介します。
(何を持って易しいとするかは、人それぞれだと思いますが、本記事では、1.細かい文字を読まなくても良い、 2.周囲のプレイヤーがフォローしながら進められる という点を基準とします)
おすすめアナログゲームタイトル
カタン
[概要]
プレイ人数:3〜4人(拡張セットで6人まで)
所要時間:40分〜60分
必要なもの:本体(+拡張セット)
ダイスを振って資源を集め、開拓地「カタン」を発展させるゲームです。
アナログゲーム界隈においては、「カタン以前、カタン以後」という言葉があるくらい、革新的な存在とされ、おすすめのボードゲームを聞かれて、真っ先に名前が挙がるであろうタイトルでもあります。
交渉で資源をやり取りする感じは「モノポリー」に近いですが、あちらと違ってお金の匂いはしませんし、途中で脱落・敗退するプレイヤーも出ないので、レクリエーション向きと言えます。
ちなみに、日本や世界で大会も開催されています。
メリット
- 交渉要素があるので、コミュニケーションのトレーニングに役立つ
- ダウンタイム(他のプレイヤーの手番にやることがない時間)が存在しない
- 有名なゲームなので、一度ルールを覚えれば、他の場面で役に立つかも
デメリット
- 交渉要素がある都合上、キングメーカー問題が存在する
キングメーカー問題とは... 勝利する可能性の薄い、または始めから勝つ気のないプレイヤーがいる場合、その人の行動によって、最終勝者が左右されてしまう問題。カジュアルに遊ぶ分には問題ありませんが、こういった要素を嫌う人も中にはいます。
カルカソンヌ
[概要]
プレイ人数:2〜5人(拡張セット「宿屋と大聖堂」で6人まで)
所要時間:30分〜60分
必要なもの:本体(+拡張セット)
タイルを並べて古城都市「カルカソンヌ」を広げていき、ポイントを稼いでいくゲームです。
2人プレイでの競技性が高く、日本選手権など大会も開催されています。
競技勢は、タイルの構成を全て把握し、ゲーム中にも残り枚数を数え、相手を妨害しつつ、獲得できる得点の期待値を計算し...と行った感じでプレイするそうです。
メリット
- タイルを徐々に並べていくというゲーム性であるため、最初のセットアップの手間が(比較的)少ない
- 他のプレイヤーへの妨害手段が豊富であり、盛り上がりやすい
デメリット
- 遊ぶ際、人数が増えるほど、運の比重が大きくなりやすい(気にするかは人それぞれですが...)
- バージョンの種類が多い(「カルカソンヌ」「カルカソンヌJ」「カルカソンヌ21」他)ため、通常版と拡張版をセットで揃えようとする場合は、バージョンを統一する必要があり、その際の入手性が悪くなりがち
お邪魔物
[概要]
プレイ人数:3〜10人 (拡張セットで12人まで)
所要時間:約30分
必要なもの:本体「お邪魔物」(+拡張セット「お邪魔物2」)
カードを並べることで金鉱を探索し、できるだけ多くのお宝を探すカードゲームです。
「お邪魔者」の名前の通り、人狼要素があります。
メリット
- 「お邪魔者」といういわゆる人狼的な役割のプレイヤーがいるため、また違った盛り上がりが期待できる
- 多人数に対応できる
- カードゲームであり、拡張セットの存在を加味してもコンパクト
デメリット
- 人狼系のゲームが苦手な人もいるかもしれません
ドブル
[概要]
プレイ人数:2〜8人
所要時間:約15分
必要なもの:本体
絵柄が書かれたカード達には、「2枚を取り出すと必ず1つの絵柄が共通する」という性質があり、それを利用した、5つのミニゲームで遊びます。
メリット
- 大人数でも遊べる
- ルールが簡単で、他のゲームを遊ぶ前のウォーミングアップにちょうど良い
- 短時間で様々なゲームができるため、レクリエーションの空き時間を埋めるのにもちょうど良い
- コンパクト
デメリット
- 有利不利が、個人の反射神経に依存する(ご年配の方にはキツイかも...)
テキサスホールデム (ポーカー)
[概要]
プレイ人数:2〜10人
所要時間:展開次第
必要なもの:トランプ、ポーカーチップ、プレイマット(任意)
ポーカーの中では最もメジャーなルールです。「ハンド」と呼ばれる手札2枚と、場に公開される「コミュニティカード」最大5枚を組み合わせて、できるだけ強い役を作ります。
チップを用いた賭けは、「ゲーム開始時」、「コミュニティカード3枚公開」、「4枚目公開」、「5枚目公開」のタイミングで逐一行われるため、その都度、勝負に参加するか、降りるか、はたまた賭けチップ額をレイズ(釣り上げる)するか、心理的な駆け引きが求められるゲームです。
メリット
- 複数人数に対応できる
- 最低限、トランプがあれば遊べる。また、チップの品質を100円ショップなどで妥協すれば、かなり安価に遊ぶことができる
デメリット
- 工夫次第ではあるが、早々に敗退すると、することがなくなってしまう
- 賭博色がかなり強い(昨今、会社経営者が賭けポーカーで書類送検されるなどの事例もあり、世間は敏感であるので注意)
- ポーカーの役のランクを把握する必要がある
コントラクトブリッジ
[概要]
プレイ人数:4人 × n卓
所要時間:展開次第
必要なもの:トランプ、スコアシート or メモ帳(点数記録用)、ビディングボックス(任意)、デュプリケートボード(任意、ただし大会でもない限りは不要)
※ビディングボックス:ビッド(自分のペアが達成する目標のようなもの)を宣言する際に使用する札をまとめた道具。カジュアルに遊ぶなら口頭で済ませば良いので、なくても可。
※デュプリケートボード:配られる手札を、事前に卓ごとに統一しておくために、カードをまとめる専用の道具
イメージ的には、2vs2のペアで戦う大富豪のようなゲームです。(愛好家からすれば、「全然違う!」と突っ込まれそうですが、ご容赦ください💦私はいつもそう説明しています🖊)
世界共通のルールが確立されている(大富豪のようなローカルルールが存在しない)のが特徴で、欧米では「社交上必須の嗜み」とも言われているそうです。
日本では、チェスやバックギャモン以上にマイナーなゲームだと思いますが、各地にブリッジセンターが存在するなど、根強いファンがいる模様です。
【参考】日本コントラクトブリッジ連盟(JCBL) [外部リンク]
メリット
- 最低限、トランプとメモ帳さえあれば遊べるため、(ルールを知っている人がいれば)環境の準備はしやすい
- ローカルルールが一切存在しないので、ルールを覚えておくと、国際交流の際にひょっとしたら役立つかも?
デメリット
- 人数が4人で固定されており、人数調整の融通が利かない
- 攻撃側の「ダミー」と呼ばれるポジションになると、することがない
- 「オークション」に関するルールが取っつきづらいかも。
- (カジュアルに遊ぶ分には別に良いと思いますが)プレイ中は、会話や「通し」といった意思疎通行為が厳格に禁止されており、かなり硬派(ビッドを宣言する際に、わざわざビディングボックスを使用するのはそのため)
レクリエーション運営のアドバイス
アナログゲームをレクリエーションに活用するために、考えなくてはならないのは、主に「参加人数」「使用するアナログゲーム」「タイムテーブル」だと思います。
これは私の考えですが、「参加人数が固定されているゲーム(4人専用など)」「参加人数の融通が効くゲーム(2〜5人など)」を別々の卓に同時に用意しておき、手持ち無沙汰な卓が発生した(例:別の卓よりゲームが早く終わってしまった)場合は、簡単に遊べるゲーム(あるいは普通のトランプ)を渡して、暇を潰してもらうのが、タイムマネジメントもしやすく、参加者の満足度も高められる方法かと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
アナログゲームは、ビデオゲームに比べて、保管場所もそれなりに取るため、気軽に揃えるのは難しいかもしれませんが、参加者同士が遊びを通じてコミュニケーションを図ると言う面では、貴重な存在だと思います。
もし、障がい者に関わる仕事をしている方々(就労移行支援事業所や、障がい者スポーツセンターの職員さんとか)の中で、アナログゲームを交流に取り入れようと思っている方がいましたら、今回の記事が参考になれば幸いです。
また、予算を確保して何か1つ、2つを購入するとしたら、予算と入手性の問題で、「カタン」および「お邪魔物」を個人的にお薦めしておきます。ネット販売の他、家電量販店とかにいけば売っていると思います。
以上、ここまで読んでいただきありがとうございました。